思い入れありすぎな靴クリーム。

先ずはお知らせです!

明日の2月11日(木)は祝日ですが、Spiralはいつも通り定休日とさせていただきます。

ご来店の際はご注意くださいませ。

さて!

あまりにも思い入れがありすぎて、ご紹介がすっかり遅れておりました。Spiralオリジナル靴クリーム。

猪油脂バージョン、鹿油脂バージョン。とっくに完成しております!

店頭ではラベルをご用意する前に、待ってました!とばかりに早速お買い上げくださったお客様もいらっしゃって、本当に嬉しいです。

ありがとうございます!

ラベルにはテンチョーデザインのオリジナル焼印を施した猪革、鹿革の端切れを使用しております。

本当は革の厚みを揃えたり、薄くするときに出る「床革」を使う予定だったのですが、焼印がうまく入らず断念。端っこの革や、傷がある端切れを使うことにしました。

猪クリームには猪革。鹿クリームには鹿革のラベルが付きます。カラーは色々。お好きなカラーをお選びいただけます。。。まだちょっとしか貼ってないけど。

商品ラインナップ

・鹿脂靴クリーム 3,300円(税込み)

野生の日本鹿の脂と、浜松産の蜜蝋を主成分とし、革に栄養を与えると同時に程よい艶を与えてくれます。リフレッシュ効果のある春野産ヒノキ精油の香りで瓶を開けた瞬間から森林浴をしているような至福の靴磨きタイムをお楽しみ頂けます。使い心地はサラッとタイプで、脂の浸透により色が濃くなり過ぎません。

・猪脂靴クリーム 3,520円(税込み)

春野の山を駆け巡っていた野生猪の脂と、浜松産の蜜蝋、その他自然由来の成分を配合しました。革の内部まで栄養を与え、同時に艶も与えてくれます。鎮静・抗菌・抗ウィルスなどに有効な「リナロール」、「ゲラニオール」といった成分を含む貴重な春野産クロモジ精油をふんだんに使っておりますので、クロモジの爽やかな香りと、効能もプラスの贅沢な濃厚クリームです。猪の脂は鹿の脂よりも融点が低く、革の内部まで浸透します。この為、ヌメ革などに使用しますと色が濃くなりますので、お好みに合わせてご使用下さい。

内容物について

・野生の鹿脂と猪脂

春野町のジミートさんがまだ稼働していた頃、猪や鹿の内蔵脂をひたすら貯めていただいていました。

猪の革には猪のクリーム。鹿の革には鹿のクリームを作れないかと考えていたからです。思い付いてからが長いんですけどね。

一頭から採れる内蔵脂は個体により様々。全て廃棄されていたものを、手間をかけて取り置いていただきました。

ジミートの閉鎖後、今は春野町、杉の猟友会のみなさんに皮を分けて頂いていますが、内臓から脂を選り分けるのは流石にお願いできずにおります。今後はなかなか手に入り辛い貴重な脂です。

そもそも、「豚熱」で猪が少ないですからね、革も今年は片手にも届かない枚数しか出ておりません。

貯まった内蔵脂はまだ肉が残っていたりするので、グツグツ煮て精製。

不純物を取り除きながら煮て、冷やして、油分と水分を分け、また煮る。を最低3回は繰り返し、スタッフギャロにも協力してもらいながら、徐々に精製した脂を貯めました。

鹿の脂は冷えるとすぐに固まり、猪の脂は冷えてもとろりとしています。融点も違い、これがそれぞれの使用感の違いにつながっているのではと思います。

・蜜蝋

春野町や都田で採蜜している「養紡屋」さんの蜜蝋を配合しています。靴クリームにするには結構な量の蜜蝋を使用します。貴重な蜜蝋ですが、快く提供してくださいました。

ミツバチの胴部分から滲み出た脂肪からできたミツバチの巣。

これを溶かして精製すると蜜蝋になります。きれいな蜂の巣だなぁ~~~

イメージ画像でなく、「養紡屋」さんにご提供頂いた「養紡屋」さんとこのリアルな蜂の巣画像です。

一匹のハチから作られる蜜蝋はごくごくわずか。改めて考えてみると蜂の巣ってほんとにすごいですね。

蜜蝋も一次精製されたものを更にSpiralにて精製。花粉、幼虫の繭ナドナド、、、黒ずんでいた蜜蝋をきれいになるまで精製しました。

養紡屋さんの蜜蝋を使いたかった理由は”春野で採蜜しているから”ももちろんですが、それだけではありません。彼の経営理念や、「抗生物質の完全不使用」といったはちみつ生産者としての考え方に共感しているからです。

他の蜂蜜とひと味もふた味も違う「養紡屋」のはちみつ。是非味わってみてください。実は「養紡屋」さんがお隣でお店を開くことになりました。この頃Spiral周辺が賑やかくなってきて嬉しいです♪

いま一生懸命準備中の様です。楽しみだなぁ~♪取扱店も、オンラインショップもありますから、今すぐにでも欲しい方は「養紡屋」さんのホームページをチェックしてみてくださいね。

・精油

通常靴のクリームに使われるのは香料ですが、できるだけ自然のもので香り付けをしたかった。そこで思いついたのが、「山香」さんの精油。もちろんこの精油も春野産!

春野の山で採れたヒノキの精油と、クロモジの精油を贅沢に配合しています。リラックス効果の高い香りと、鎮静、抗菌、抗ウィルス!なんとタイムリーな。それぞれの効能がプラスされた、贅沢な靴クリームに仕上がりました。

昨年はタイミングが合わず、精油を作る過程を見れませんでしたが、今年こそ。またブログやHPでご紹介できるといいなと思っています。

こんな装置で丁寧に丁寧に抽出された精油をたっぷり配合しています。

・配合と乳化

素人が精製したただの脂では靴クリームに仕上げることはできません。大切な素材をどうしてもプロの手で仕上げていただきたかった。今回、一通のメールから、こんなややこしい商品づくりに携わってくださったのは「谷口科学工業所」さん。ご担当の河井さんと何度も何度もやり取りをし、最高の靴クリームを完成させるため、ご尽力いただきました。いつものSpiralなら、すぐに飛んでいって製作工程など見せていただきたい質なのですが、COVID19のおかげでそれも叶わず。メールと電話でのやり取りとなりましたが、本当に同じ熱量で取り組んで頂いたと実感しております。

谷口化学工業所」さんは創業明治43年、日本最古の靴クリームメーカーです。そのノウハウを生かしてくださり、自然由来の成分による、靴にも人にも自然にも優しい靴クリームが出来上がりました。

原料調合
蝋と水分
撹拌
クリーム充填

歴史を感じるアナログな工程がなんとも好き。

鹿のクリームはご経験のあった「谷口化学工業所」さんですが、猪の脂は初めてとのことで、サンプルを何度も作っていただき、ようやくこれだ!というものが出来上がって、本生産へ。

出来上がっただけでもう、感無量。

出来上がってすっかり大満足してしまっていたのですが、スタッフギャロには当然「早くブログで紹介してくださいよー。」とか、お客様には「え?!もうできてたの?」とか、とうとう、谷口化学工業所のご担当の河井様にも「その後いかがですか?」ってご心配のメールを頂く始末。。。

各方面にごめんなさい!できてますー!!!

使用方法や、使用感など、その辺を作り込んで、、、なんて思ってたら何年先になるかわからないので、まだまだお伝えしたいことは山程ありますが、先ずは出来上がってるよー!ってお知らせしておきます!

こういうときにクラファンとか使って宣伝するといいんでしょうが、大量生産はできないものなので、こっそりじわじわ販売していきたいと思っております。

今後は谷口化学工業所さんが展開している「ライオン靴クリーム」のクリーナーやワックスなども入荷しておりますので、そちらも合わせて靴磨きの実演なんかも考えております。

みなさんご存知のテンチョーのキタネー靴が美しく変貌する様子をお届けするべく、常にも増して酷使中。どうぞ、お楽しみにです。

子供の頃はよく父の靴を磨くように言われ、わけも分からず、言われるがままに磨いていました。

おぼろげな記憶によると、まず白いチューブだったかな?たぶんクリーナーと思われるクリームを全体に伸ばして拭き上げ、その後、靴の色にあった黒だったり茶色だったりする多分”靴ズミ”を全体に塗り込む。仕上げにフリースみたいな黄色い布で拭き上げピカピカに、、、あんまりならないのだけど、、、これってきれいになってるのかな???まあ、いっか。

たしかこんな具合で。

その時使った靴墨やクリーナーがツンとした匂いで嫌だったなぁ。。。

あんまり家に帰らない父でしたが、肩たたきと靴磨きは、割と頻繁にやらされていたよう記憶しているので、そこそこおしゃれな人だったのだなぁなんて思ったり。。。あ、生きてますけどね。どこかで(笑)

話が逸れましたが(;´∀`)

そんなテンチョーの父よりもっとおしゃれな皆様、ステイホームが望ましい今日このごろ。靴磨きを盛大に楽しもうではありませんか。

次の目標は光沢を与えるよりも栄養を入れたいアイテムに使えるデリケートクリームの製作と、猪毛で靴ブラシを作ること。靴用鹿セーム革も作ってみたいな。さて、何年先になるんでしょうねぇ。。。

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