遅ればせながら。
鹿革って言ったらセーム革。
ずっと作りたいと思っていたセーム革。
この度、ご縁があって、セーム革を専門に鞣していらっしゃるという奈良にある「奈良産業」さんへ行ってきました♪
繋いでくださったのはジビエ工房ジミートさん。
今回の奈良旅にもご同行いただきました♪
知ってるようで知らないセーム革とは?
純鹿セーム革とは、鹿原皮をなめし加工したものを再度、鱈油でなめし(二次鞣し)を行ったもので、従来より、カメラやメガネ等のレンズ、時計や宝石等の貴金属類、ハサミ等の刃物類、自動車やガラスを磨くものとして広く使われてます。
純鹿セーム革は、人工製品ではマネのできない超微粒子コラーゲン繊維質によって、おどろくほど、油脂汚れ等あらゆる汚れを落とします。また、鹿革は皮革の中でも通気性、保湿性がとても高く非常に優れており、油脂汚れやホコリを取り除くには最高の素材です。メガネやカメラのレンズ、時計や宝石等の貴金属類の輝きを取り戻します。
奈良産業さんHPより抜粋
本当にいろんなものを磨くのに使えるんです。
ちなみに顔も磨けます。
原皮は先ず、水と一緒にドラムの中に入れられゆっくりと自然解凍されます。
それから皮の表面に残った肉を剥ぐ工程。
手前にあるのが肉剥後の蝦夷鹿の原皮。私が扱う日本鹿の1.5倍〜2倍はあるかな。
その後、原皮はドラムに戻って鞣されます。セーム革は基本みょうばん鞣し。私が1番最初に自分でやってみたなめし剤もみょうばんでした。
奈良産業さんは主に鹿を専門に扱ってらっしゃるので、牛や馬をメインに扱うタンナーさんに比べて小ぶりでした。
その後、油を入れ、3週間以上天日干し。脂が皮の奥まで浸透するのを待ちます。この過酷な状況が良いセーム革をつくるんだそうです。触って確かめて、出来上がりを待ちます。
このもさもさしたドラムは乾燥機。干し上がった革を洗い、その後この乾燥ドラムでぐるぐる乾かします。
出てきた革はもう、真っ白のふわっふわでした♪
その後の工程「バフがけ」
セーム革は銀面をペーパーで削ることによって吸着性や吸水性を増します。
この工程は絶対AIじゃ無理よね。1枚1枚状態の異なる革を五感の全てを使って均一に削り上げます。
バフがけ後のふわっふわの革を最終工程のプレスへ。
最後の最後にテンションをかけて薄い革を絶妙な力加減で伸ばし、手作業でアイロンをかけます。
長い時間をかけてこの工程まできて、完成した瞬間はとても嬉しくてやりがいのある仕事。と、超可愛い奥様が楽しそうに説明してくださいました♪
仕上がった革は美しく、しっとり。
ご覧の通り、さまざまな工程を経て完成するセーム革。
製品としてみなさまにお披露目できるのはまだもう少し先になりますが、どうぞお楽しみに。
色々な用途に使えますので、より多くの方々の日常に、天竜の鹿革が活かせるように、さまざまな形でご提案していければと考えております。
せっかくなので帰りは奈良公園へ♪
生きている鹿を間近で見る機会はなかなか無いので、2時間近くじっくり観察してしまいました笑
いつも見ている天竜の野生の鹿より脚が細いよねーとか、雄の求愛鳴きをまじかで見て感動したり、前脚から座るから前脚抑えればいいのか。。。とか、ジミートさんと行くと視点が違って面白い奈良公園でしたw
間近で見て改めて可愛くて美しい生き物。本当は上手く棲み分けが出来たらいいのだけど、それは難しい。私にできることなんて、本当に少しばかりですが、せめて”無駄なく使う”を継続していかなくちゃなと。思った次第でございます。
留守中お店を開けてくれたギャロに感謝!
ご来店くださいました皆様も本当にありがとうございました!
さて、これから昨日のサムライ25SS展示会の動画を編集いたしますー!
しばしお待ちください!
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